将来ビジョン~5年先を見据えて~

将来ビジョン~5年先を見据えて~

将来ビジョン~5年先を見据えて~(2017年~2022年)

はじめに

京都産業大学附属中学校・高等学校は、2007(平成19)年に学校法人京都産業大学の掲げた当時のビジョン「総合学園構想」の下に、京都産業大学学祖・荒木俊馬先生の『建学の精神』を教育の柱とし、新たに定めた『校訓』に沿うべき中等教育機関として設置されました。
開校初年度以来、中学校・高等学校ともに、増減はあるものの、順調に志願者を増やし、一代・二代校長のリーダーシップの下、諸先生の尽力により、高等学校において一時期は1,000名近い志願者を確保できるまでに成長してきました。
近年においても、少子化に加えて京都府内の公立高校の入試制度改革の影響から志願者確保が一層厳しくなる中、現在もレベルの高い入学者を確保するなど、京都私立中学校・高等学校群の中で一定の地位を確立することができたと評価しています。これには、本校の入試制度改革・志願者確保に向けたたゆまぬ努力もさることながら、充実した教育内容と中学校からの内部進学者も含めた高等学校卒業生の着実な進路実績が大きく貢献しているものと考えられます。
特進コースにおいては、国立大学への進学者数が1期卒業生に比して2倍に伸びて2015(平成27)年度には最多の86名の実績をあげました。京都大学・大阪大学・神戸大学や医学部への現役合格者を送り出すなど注目されています。このほか、有名私立大学へも数多くの合格者を輩出するようになり、週刊誌などの雑誌にも取り上げられるようになりました。
また、KSUコースについても、京都産業大学での学部の新設・改組に伴い生徒の選択肢が拡大・充実するとともに、内部進学した生徒も大学での中核的な人材として学修やクラブ等での活躍、および大学出口の進路・就職も期待に応えられる状況を生み出しており、大学と協力・連携しながら附属校としての本来の役割を発揮してきています。
しかし、以上の成果は、必ずしも十分であるとはいえず、これからの京都産業大学附属校として、さらなる成長・発展を保証するものではありません。今後も本校が社会から評価され、『建学の精神』『校訓』の下、その使命を完遂し続けるには、さらなる改革・改善を積み重ねていく必要があり、そのためには未来を見据えた附属校としての本校の進むべき針路・方向性を明確にする必要があります。
ところで、昨今、日本を取り巻く状況は、これまで以上に厳しさを増しています。すなわち、少子高齢化・人口減少や東京一極集中、高度情報化、グローバル化、地球温暖化が一層進展するとともに、世界的な規模での政治的・経済的な枠組が不安定化することが予想されます。
加えて、本校の母体である京都産業大学において、2015(平成27)年に創立50周年を迎えるにあたり、それまでの「グランドデザイン」を総括した上、新たなグランドデザインとなる「神山STYLE2030」が策定されました。それは、創立100周年に向かって2030(平成42)年までの15年間の大学の進むべき方向性・行動計画を盛り込んだものであり、大学ではこれに基づき次なる飛躍を目指した新たな歩みを始めたところであります。
こうした時期に、附属校である本校も、2017(平成29)年に最初の区切りとなる創立10周年を迎え、京都産業大学のこれからの歩みを十分に認識しながら、外部環境が大きく変化する中で、本校の進むべき針路・方向性を的確に捉え、その具体的な対応策を定める必要があります。

平成30年2月26日
学校法人 京都産業大学
理事長 柿野 欽吾